夏秋武蔵屋酒舗

ここに書かれているのは、当店の歴史を掲載したものです。
現在のお店の状況や取扱品目等とは
異なる場合があります
ので、あらかじめご承知おきください。
なお、最新のお店の情報をお知りになりたい場合は、
お店までお問い合わせください。

創業:1914年に祖父、茂木留冶が両国に開業

祖父は、埼玉県の熊谷(武蔵の国)から東京へ上京し、
江戸時代から続く最大大手の酒問屋「国分商店」で
奉公・修行し、独立しました。
この初代の時代に、関東大震災・東京大空襲があり、
この2回とも罹災し店舗家屋が全焼しましたが、
幸いにも家族は全員無事でした。

その際に市川に疎開し、新店舗「武蔵屋」をこの地に開業したのです。
その当時から、真間山参道の門前町「真間大門通り」は
商店が密集しているような商店街ではありませんでした。
大きな事件:創業の年は、明治から大正に変わり、
第一次世界大戦がはじまった

発展
武蔵屋:市川に新店舗「武蔵屋」を移して、
まもなく初代の祖父が倒れ、父が2代目を継ぎました。
父は兄弟が多く、祖父に代わり兄弟を養育していきましたが、
家業は軌道に乗り大家族での、楽しい思い出を残してくれました。
その父は50歳の若さで病に倒れ、
それからは母と妹・私の女3人で武蔵屋を継いでいます。

酒販小売業:ごく一般的な酒販小売業は、免許制です。
酒は酒税を含んだ商品ですから、薄利となり、
人口と距離に規制をし、多売を保証し、
小売という業種を守ってきたのです。

しかし、昨今の規制緩和により、その薄利のまま、今年免許制がなくなります。
色々な枠のある業界でしたが、免許制廃止により激変している状況です。
大量仕入れをする量販店の仕入れ価格は、
小売の仕入れ価格とは全く別設定ですしね。
酒が脇役であるスーパー・コンビニにも販売が許可されたら、
その利便性で消費者はそちらに移ってしまうでしょう。
その為「小売酒販の5店に1店しか生き残れない」とも言われています。

武蔵屋酒舗
武蔵屋では規制緩和を乗り切るために、
特性を出す様にと、ワインと地酒に力を入れています。
ワインをどう売って行こうかと考えた時、
ワインはそんなに安いものではないので、
1本買っていただくのは大変ですし、
グラス一杯から楽しめるようなお店があったらいいなと考えていました。
2年前、お店を改装して思い切りおしゃれに
ワインの立ち飲みができる「M'bis」を始めました。
(武蔵屋の南側の部分)ここでは、メニューのワインの量り売りもしています。
同時期に、武蔵屋酒舗から道路を隔てたお向かいに、
ワインを楽しんでいただけるワインバー「Feria」を開店しました。
「自分の家の近くにこんなお店があったらと良いな」というコンセプトで
「20代後半〜50代の働く女性で、海外旅行にも行ってる、ワイン好き。」
をターゲットに考えていたのですが、開けてみると、想定を超えて
色々なお客様に来ていただいて面白いワインバーとなりました。

あるご夫婦はワインを楽しもうと、お店で電話をかけて奥様を待っていたり。
また別のご夫婦には、待ち合わせて若干オシャレな感じが
「家では弾まない会話が弾むわ」と言われたり。
それが何組もいらっしゃったので、すごく嬉しかったのです。
近所ですから、そんなに気取らなくても来れるお店です。
もっともっとヨーロッパの田舎のレストランのように
気軽にワインが飲めればいいなと思います。
品揃え
酒類一般、食料品、飲料水、雑貨、本を置いています。
酒類が他業種でも販売できるようになりますが、
うちでは酒屋としての「お酒の質・幅」を充実させています。
特にワインを力を入れて、600アイテムぐらい揃えています。
うちの規模の小売店にしては非常に多いと思います。
ヨーロッパ主体の品揃えですが、
ニューワールド
(アメリカ・南米・オーストラリア・南アフリカなど)も壁一面あります。
売り手にとっては、ワインはずっと飲み続けていないと味が判らなくなるので、
勉強していないとダメですね。私はワインアドバイザーの資格を持っていまし、
妹は利き酒士の資格を持っています。日本酒もいいですね。

日本酒は、お米なので遺伝子レベルで日本人に馴染みますから。
うちの特色のひとつは、千葉県佐原市の香取神社前のこだわりの蔵元
「寺田本家」の自然酒「五人娘」を置いています。
飲んであまりにもおいしいので、蔵元に行き交渉して
直取引を10年前からしています。自然酒といって無農薬米、
蔵つき酵母で非常に丁寧につくったお酒です。

なるべく機械を使わないで造ったこだわりのお酒。
今ではすごく人気が出て手に入りにくくなっています。
この近くでは船橋東武百貨店ほか、うちの3店舗しか置いていない銘柄です。
雑貨はワイングラス・ソムリエナイフなどワインやお酒に関したものです。

あとは友人の中南米輸入店からの依頼品を置いています。
飲料水は、おしゃれなミネラルウォーター 
イタリア:サンペリグリノ・ウリベイト,
フランス:ペリエ・エビアン等を置いています。
食品も輸入食材があります。パスタ類、パスタソース、
アンチョビ、オリーブ、ザワークラスト、チーズ各種などあります。
オーガニック食材も特色のひとつですね。本は大体、ワインの本です。

お客様
今はどこに行っても、何でも買えますよね。
ということは、品物以外のもの「プラス.アルファ」を
サービスする以外はないですね。
価格競争は、うちは小店舗ですから無理ですね・・・。
だから、例えばワインのことを聞かれたら、
すべて答えられるまで勉強するとか、
お客様の一人一人の好みとかのデータを、自分の中できちんと取り込んで、
それをサービスに還元して行くことを心がけています。味の系統とか、
それ自体のものでなくても、お客様が「これがおいしい」と言われたら、
それに近いものを選ぶこともできますからね。
他店よりも満足していただけるサービスを、
お客様に返して行きたいと思っています。

お店のレイアウト:商品をきちんと入れることも大切ですけど、
お客様が入って完成されるというか、
お客様一人一人によって空気とかムードが違います。
お客様が入ってはじめて武蔵屋があり、Freriaがあるという、
お客様が主演であるというな劇場型のお店にしていきたいです。
商店街のイメージ
いまは、ちょっと元気がない状態ですね。
個人では限界がありますが、
今2代目・3代目の女性だけの会を立ち上げたばかりです。
まだ花屋さん、魚屋さん、酒屋の3軒ですが、
2代目・3代目の悩みは同じなので、
20代〜40代の女性の視点で考えています。
ゆくゆくはフリーペーパーも出したり、
消費者参加のフリーマーケットも考えたりと・・・、
まだ実現していませんが、これからです。

女性の視点といえば、浅草の「おかみさん会」の活躍でも分かりますが、
商店の女性は元祖「働く女性」です。
また、自身が店主でなくても、2代目・3代目と結婚して、
2代目・3代目になる人もいる訳ですから、
1軒だけでは出来ないことも何軒か集まれば、
そのコラボレーションが出来るので、
これから増えていけばいいなと思っています。
今までの商店街の良さにプラス.アルファで、
目新しくて元気なお店が、どんどん増えると嬉しいのですが。
環境問題 
本当に大変なことなので、
真剣に考えなければならないと思っています。
一番頭が痛いのは、ワインのビンのことです。
空き瓶が増えていくので心が痛むのですが。
最近はメーカーの方で低価格帯のワインは透明ビンにしてきていますが、
高級ワインは紫外線とかの問題もあって難しいかもしれない。
その他のことは、なるべく買い物袋を持ってきてもらうとか、
過剰包装をしないようにしています。
商大生に一言 
大学生なので、お酒が飲めない年齢の人も居るので難しいのですが、
お酒は文化なので、お酒にとって失礼でない飲み方が望ましいなと思っています。
それと本当においしいお酒を知ってもらいたいなということもあります。
世界中で飲まれているお酒は、歴史とか文化がそのお酒に凝縮されて入っているので、
ただ飲んで酔っ払うだけでなく、お酒を味わう飲み方というのは必要だと思います。
大人の飲み方を見て若い人が覚えていくので、大人がちゃんとした飲み方をしないといけないと思います。
よい飲み方をしている大人を見て飲み方を学んでほしいと思います。

商大に望むこと かっての大学と学び方が違ってきていますよね。
教室の中で机に向かって勉強すれば学問という世の中とか学科とかでないので、
大学や学生のためにも非常にいいんじゃないかと思います。
せっかく商店街も大学もこの地にお互いに共存しているので、
お互いが有効利用していき、このプロジェクトが引き金になって、いろいろ活性化があればよいと思います。

(2002年12月17日 3代目 茂木 夏子さんにインタビュー)